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桜が彩る春の味わい ー 季節を楽しむ、桜の和菓子

春の訪れとともに咲き誇る桜の花。

その美しさを愛でる「お花見」は、日本の季節行事の中でも特に華やかなひとときです。
そしてもうひとつ、桜の季節を味覚で楽しむ方法があります。
それが、桜を使った和菓子です。

桜の香りとやさしい甘さをまとった和菓子たちは、花の下で過ごす時間をさらに豊かにしてくれるもう一つの主役
本記事では、お花見とともに楽しみたい桜の和菓子について、その魅力と楽しみ方をご紹介します。



なぜ“桜”を味わうの? ― 日本文化に根差す味覚の

日本では古くから、季節の移ろいを五感で楽しむ文化があります。
桜の花や葉を塩漬けにし、その香りと風味を活かした桜和菓子は、まさにその象徴ともいえる存在です。

桜と日本人の関係には、長い歴史的背景があります。
奈良時代までは「花」といえば梅を指していましたが、平安時代以降、宮中の宴や和歌に桜が多く詠まれるようになり、次第に春の象徴としての地位を確立していきました。
貴族たちは花見の宴を催し、酒や食を囲んで桜を愛でる文化が根づき、それが江戸時代になると一般的に広がり、花見弁当や菓子が発展していきます。

そうした中で生まれたのが、桜を見るだけでなく、食べて味わうという発想
桜の葉や花を塩漬けにして保存し、餡やもち米と組み合わせた菓子が登場したのは江戸時代中期といわれています。
現代でもその文化は息づき、春になると自然と桜の香りを探しに和菓子店へ足を運ぶ方も多いのではないでしょうか。

例えば、桜餅に使われる葉のほのかな塩味と、餡のやさしい甘さの調和。ほんのりとした桜色の姿。
これらは、目で見て美しく、口にしても春を感じられる、日本人ならではの感性が息づいた味覚の表現です。

桜の和菓子は、お花見の場にそっと添えることで、「見る」喜びに「味わう」豊かさを加えてくれます。    


お花見にぴったりの桜和菓      

🌸 桜餅(関東:長命寺、関西:道明寺)
 塩漬けされた桜の葉がふわりと香り、餡の甘さと絶妙にマッチ。
 ピクニックにもぴったりな、持ち歩きしやすいサイズ感

🌸 桜大福・桜まんじゅ
桜の風味を生地や餡に練り込んだ、春の和菓子。

 
ピンク色の生地は見た目にも華やかで、お花見気分を高めてくれます。

🌸 桜ゼリー・桜水まんじゅ
温かくなる日もあるお花見シーズンに、口当たりのよいひんやりスイーツ。

 
お重や竹製の器に入れて持参すれば、見た目も涼やかです。


 

甘いだけじゃない、もうひとつの春の楽し

お花見を楽しむなら、甘い和菓子だけでなく、塩気のある一品があると、より満足感が高まります。

そこでおすすめしたいのが、おいしいプラスでご用意している「絹稲荷寿司」。
絹のようにやわらかく仕上げた油揚げに、ふんわりとした酢飯を包み込んだ稲荷寿司は、やさしい味わいで、お子様からご年配の方まで幅広く楽しんでいただけます。

甘味と塩味のバランスも良く、和菓子との相性も抜群。
春のお弁当に加えれば、見た目にも美しく、お花見の席がさらに特別なものになることでしょう。ぜひこの機会にご賞味ください。


 

桜とともに、春を味わう贅沢

桜の和菓子は、見て楽しく、香りで癒され、味で春を感じることができる、日本ならではの食文化です。
一つひとつが繊細に作られ、季節の移ろいをそっと伝えてくれます。

桜の季節、花を愛でながら、日本の四季を食とともに味わってみてはいかがでしょうか。





参考文献

内閣府. (2021). 和食──日本食を超えて. Highlighting Japan. https://www.gov- online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/202104/202104_07_jp.html

農林水産省. (2023). 和食文化──日本食の親善大使の声から(第15回). https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan/articles/2303/spe15_02.html

農林水産省. (2023). 和食文化──特集記事. aff. https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2303/spe1_02.html

農林水産省. (n.d.). 桜もち(東京風). 和食文化メニューデータベース. https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/34_22_tokyo.html

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